Cinema English

MERITÉ翻訳事務所の映像翻訳者Millieによるブログ。英語、映画、翻訳生活など。

格調高い字幕?

どーしても上手くできないんです...字幕に「格調高さ」をにじませることが。

 

中年の名探偵や白髪の魔法使いやマフィアのボスが放つ、あの熟成したワインのような高級感ある言葉を、そのトーンを変えずに訳せる翻訳者さんはすごいなぁといつも思っています。

 

 

最近見た作品だと『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』、『呪われし家に咲く一輪の花 』(Netflixオリジナル)、『アンブレラ・アカデミー』(Netflixドラマ)あたりに「これは!」と思うようなフレーズが散りばめられていました。

 

例えば、『アンブレラ・アカデミー』シーズン2の第7話(字幕:天野優未さん)。

ディエゴというちょっとキザなキャラが、敵に向かって

 

You'll be dead by dawn

 

と言うシーンがあるんですね。「(俺が殺しに行くから)お前は日暮れまでには死んでるぞ」ということです。ただ、ディエゴの場合にはドヤ顔をしながらこのセリフを言うので、もう少しカッコイイ表現にしてあげたいところです。

 

本編ではこんな字幕になっていました。

 

日暮れまでの命と思え

 

くーっしびれる!!こんな表現、私ではパッと思いつきません。格調高い、というのとはまた少し違うかもしれませんが、パシッと決まる「語感がいい」セリフをひねり出せるなんて、相当表現力のストックがあるのでしょう。

 

ホテルの冷蔵庫ぐらいしかストックがない私としては、これから必死に頑張らないと追い付かないレベルでしょうね...

 

ということで、まずはスーパーの冷蔵室ぐらいまでストックを広げるべく、今後も格調高い字幕の採集に励んでいきたいと思います。また「これは!」という字幕を発見したら、ブログでご紹介しますね◎

 

それでは、また^^