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MERITÉ翻訳事務所の映像翻訳者Millieによるブログ。英語、映画、翻訳生活など。

翻訳者のオススメNetflix ~勉強になる字幕編②~

こんにちは!翻訳者のMillieです。

コロナウイルスの影響で世界的に大変な状況が続いていますが、皆さんお元気でしょうか?

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ブログの方は長らくご無沙汰してしまいましたが、今回も「勉強になる字幕編②」ということで、皆さんに巣ごもり期間中に是非見ていただきたいNetflixドラマ『ノット・オーケー』(字幕:)をご紹介していきたいと思います!もうこの作品も字幕がすごくいいんですよ…( ;∀;)

 

まず『ストレンジャー・シングス』のスタッフと『このサイテーな世界の終わり』の監督がタッグを組んだ作品という時点で既にモリモリに期待!なんですが、さらに私の大好きな『IT/イット “それ”が見えたら、終わり』に出演した若手俳優ソフィア・リリスワイアット・オレフが出るということで、もうMUST-SEEでした。

 

作品は青春×ラブストーリー×スリラー×超能力という大衆受けしそうな要素がてんこ盛りになっていて、期待を裏切らない刺激的で楽しい作品です。しかも1話20分というお手軽感も魅力。そして字幕は最高!と3拍子そろっちゃっています。

 

では字幕の何がそんなに良かったか。1つ例をご紹介しようと思います。

 

【シーン設定】主人公の女の子シドニーが弟と道を歩いていると、シドニーのことが好きなスタンリーという男子が車に乗ってやってくる。シドニーにカッコよく声をかけようとスタンリーは車の窓を下ろそうとするが、古い車なのでスムーズに下りていかない。カッコつけ顔のままのスタンリーと、シドニー、そして弟が沈黙したまま見つめあう。気まずい空気が流れる中、シドニーの弟が放ったひと言が...

 

What is he doing?

 

簡単な英語ですよね。でも音で聞くと「ワリジドゥイン」という1.5秒ぐらいの尺なので、4~5文字くらいに収めないといけません。「何してんの?」でもいいかもしれませんが、何となくパンチが足りない気がします。

 

実際の字幕はこちら。

 

何待ち?

 

「ははぁ~なるほど!!!あ~なるほどね!!」と2回ぐらい続けて感動してしまいました。

 

たった3文字で、「えっこれ何の時間なの?」という弟の感情を表現できるなんて...こんな口語表現を思いつける翻訳者さんには本当に畏敬の念を抱きますね。きっと日常生活でも様々な言葉に耳を傾けておられるのだと思います。

 

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いかがでしたでしょうか。

皆さんもこの機会にぜひ『ノット・オーケー』をご覧になってみてください。

一流の作品と最高の字幕のマリアージュにきっと感動するはずです◎

ではHappy translating♪